妖精
まどろみの中、君が起きたことに気づきつつ布団から抜け出せない いや抜け出さない
朝に昨日の片付けをしようと約束したから
片付けなんか面倒でしょうがない
寝たふりと本物の睡魔の間で反復横跳びをして時間を稼ぐ
睡魔から逃げ切ったところで薄目を開ける
君がその細い指でそれがまるでひとつのアートなのかと錯覚するくらいしなやかに床の服を空いた缶を絡まったコードを拾っているのが見えた
見とれて動けない
手伝ってよ。と気づいたのか気づいてないのか君はこちらを見もせずに苦い顔をするが、それさえも甘ったるくどうしようもなく切なくてまた私を動けなくする
片付けをするのもたまには悪くないかとおもわせてくれる君はいったい
綺麗な部屋をあとにして買って4日目のスニーカーを履いて青と白の下に駆け出す