あの頃は絶望していた風が吹かない日のただ吊るされているだけの鯉のぼりの様にもしくはもう二度とつく事がない路地裏のネオンの様に
人が行き交いすぎる東京の街のあちらこちらで心が溺れていた
泳ぎ方を忘れてただ流されるだけ流されて漸く這い上がった先は真っ白な部屋だった
既に心は目を開けることをやめていた
次に目を開けた時には青が黒だった
目に入る色という色が激しく点滅しては斬りかかってくる色が無い日もあった
どうしようもない恐怖と焦燥感は簡単に呼吸を難しくさせるのだ
外に答えを求めても見つかるはずがないそれは自分の中に
今日も恐怖と焦燥感を背負って。